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東方Projectの二次創作。
サイトのものとは方向性が違うので、こっちで晒してみる第二弾。

フラマリ二作目。二作目だが前作の続きではなく、全くの別物。

・練習として書いたシロモノ。
・フランドール×魔理沙。
・どこからどう見ても百合。
・白黒魔法使いがおとされるだけの話。短い。
・誰てめぇ
・ほのぼのを目指した…つもり。

上記の内容でokな方は 「Read More...」 ↓からどうぞ。

  


 静謐な図書館。広大な空間・立ち並ぶ背の高い本棚・膨大な蔵書量を誇るその場所に、普通の魔法使いこと、霧雨魔理沙の姿はあった。

 黒のとんがり帽子を被り、箒に跨って飛ぶ。そんな彼女の背には大きな風呂敷があり、中は何か入っていることを思わせるほど膨れている。

「~♪」

 悠々と本棚の間を抜けていく魔理沙。

 その時、ふと流れ行く視界の中に、目に留まるものがあった。箒の柄先を方向転換、スイーっと本棚に近寄っていく。視線の先には本の背表紙。

「…これも借りてくぜ」

 にやりと笑みを浮かべつつ、一冊の本を棚から抜き出す。そしてそれは携えていた風呂敷の中へ。押し込み強盗……もとい借用だった。

「さて……」

 風呂敷を担ぎなおし、くるりと反転した────その瞬間、ふっと影が落ちる。

「魔理沙ー!」

 降ってくる声、刹那の後に続いたのは衝撃。

 突如、上方からの襲撃がヒットして魔理沙は体勢を崩した。

「うわっ!?」

 咄嗟に衝撃を受け流そうとして、するりと風呂敷が手から抜け落ちる。それに対して魔理沙はなんとか掴もうとしたが、手は空を切った。仕方なく、着地の方に意識を向ける。

 帽子を押さえて、もう片方の手で箒の柄を掴む。そして崩れた体勢を強引に修正して、床へと降り立った。衝撃を齎したものと共に。

「まーりさー」

 強襲を仕掛け、魔理沙を墜とした張本人フランドール・スカーレットは無邪気な声で魔理沙を呼ぶ。両腕を肩の上に通し、背中から抱きつく格好で。

 背の羽は彼女の上機嫌を体現するが如くパタパタと動いている。

 フランにとっては、先程の強襲も子犬が飼い主にじゃれ付くようなことだったのだ。ただそれが吸血鬼という種の並外れたパワーで行われたことだったというだけで。

「フランか、びっくりしたぜ」

 しかし魔理沙とて慣れたもので、フランを引っ付けた状態のまま、床の上に散らばった風呂敷の中身を拾いに向かった。

 墜ちた勢いで風呂敷から飛び出した本へと手を伸ばす。と、別の手がその本を拾い上げた。

「妹様、GJ」

 サムズアップするのは、この図書館の主パチュリー・ノーレッジ。

「さ、とっとと手ぶらで帰りなさい」

 半眼で魔理沙を見るパチュリー。その目を見返した魔理沙は、不敵な笑みをみせた。

「そうはいかないぜ、欲しいものは奪い取る。弾幕はパワーだぜ」

 そう言ってミニ八卦炉を取り出し──

「魔理沙、弾幕ごっこするの?」

 あ、と気づいた。

「私と遊んでよー、魔理沙ー」

「じゃあ、魔理沙、妹様の相手よろしくね」

「パチュリー…譲ってくれるの?」

 フランの問いに、とてもいい笑顔で頷くパチュリー。するとフランの顔が嬉々とした感情で染まり、瞳がキラキラと輝く。魔理沙は流れ落ちる冷や汗を止められずにいた。

「ちょ、ちょっと待て。私はフランとやり合う気はないんだ──」

 ぜ。と、言葉は最後まで続かなかった。

 べったりとくっ付いていた身を離したフラン。彼女が張った弾幕の中に、普通の魔法使いは一瞬で呑み込まれた。


  ◆


 散々、図書館の外で “遊んだ” 後、戻ってきた魔理沙は深々と椅子に腰掛けて息をついた。そんな彼女の膝の上に、フランが座る。ニコニコと笑顔だった。

「魔理沙、もう終わりなの?」

 もっと遊ぼうよぉ、という風に見上げて言うフラン。当然ながら、魔理沙は回避する選択肢を選んだ。

「弾幕ごっこは、な。本でも読もうぜ、フラン」

「えー。……でも、魔理沙と一緒ならいいよ」

 笑って言うフランの頭を撫でて、魔理沙は先程持ち出そうとしていた中から一冊、手に取って広げる。膝の上に座ったまま、フランもその本へと目を落とした。

 最初は上機嫌に足をぷらぷらさせながら魔理沙と共に本を読んでいたが、徐々にその表情が不満の色に染まっていく。そして案の定、むー……と小さく唸った。

「まりさぁ、これつまんないよ」

「あー……まぁフランにはそうかもなぁ」

 魔導書の内容にフランは興味が無かった。どうしたもんかな、と魔理沙は思考を巡らせると。

 トンと、フランが膝から降りた。そのまま何処かへと飛んでいって、すぐに帰ってくる。その手には一冊の本があった。

「魔理沙、これ読んで」

 そう言って魔理沙の前に差し出されたのは、絵本だった。可愛らしい表紙を見つめた後、魔理沙は魔導書を閉じる。

「いいぜ」

 笑って、招く。

 膝の上へと再び座り背を預けてくるフランの両脇から手を差し入れ、抱えるようにしたまま魔理沙は絵本を開いた。


  ◆


「『そこで狐が言いました。わたくしが何とかしてみましょう。』……、……ん?」

 ふと、かかる重みが増し、小さく傾いだ頭を預けられていることに気づいて魔理沙は言葉を切った。

 静寂が降りた図書館に生まれいずる寝息。魔理沙の膝の上、寄りかかって眠るフランの姿がそこにはあった。

「…………」

 しばし時間を置いて完全に寝入っていることを確かめてから、ぱたんと絵本を閉じてテーブルの上に置く。

「可愛い寝顔だぜ」

 穏やかな寝顔に和んだ笑みを零し、魔理沙は元々読んでいた魔導書を再び取って開いた。

 眠るフランを乗せたまま、ゆったりと時を過ごす。

 ぱら、ぱらと紙の捲れる音。健やかな寝息。身に寄り添う体温。それらが、静かに魔理沙をまどろみの中へと引きずり込んでいく。

「ん……」

 下りてくる瞼。堪えきれず出る欠伸。

 自然、ページを捲っていた指先は本を閉じた。

 眠っているフランの腰に両手を回して、落とすこのないように繋ぎ止める。そうして、いつの間にか魔理沙は眠りへと落ちていた。


 …………………。

 …………。


 まるで凪のように緩やかで、ぽかぽかとした陽気の心地良さの中────ふと、魔理沙の意識は睡眠の深淵から浮上する。

(……、……?)

 何かが触れている。やわらかく、仄かに湿った何かが、唇に触れている。

 ぼんやりと、寝起きの頭で思った。

 今だ眠りの淵を彷徨っている魔理沙。それではまともな判断も出来ない。しかし、その感触は不快ではなく、むしろ受け入れてもいいと思うものだったので魔理沙は寝惚けたまま動かずにいた。

 その間にも二度、三度、感触がある。

 ゆっくりとではあるが、覚醒へと至っていく。

 一度、小さく睫毛を震わせて、魔理沙は瞼を押し上げた。

 双眸に映ったのは、フランの顔。睫毛の長さまで確認できるほどの近さに、遅ればせながら自身の唇に何が触れているのか気づいた。

「~~~っっ!!?」

 瞬間、寝惚け眼だった目が大きく見開かれ、顔は火を吹かんばかりに真っ赤になる。びくりと指先が跳ねたのは無意識だ。

 そんな魔理沙の目の前で、そっとフランが身を引く。同時に唇から感触が離れていく。開かれ、覗くのは吸血鬼特有の紅い瞳。そうして、視線が絡まり、

「魔理沙ぁ~」

 満面の笑顔で正面からフランは魔理沙に抱きついた。

「な、な……っっ、フランお前、今なにをっ…?」

「何って、キスだよ?」

「うん。そうか。そうだよな……って、どうして私に…」

「したかったから」

 無垢な笑顔で答える。

 真正面からの告白に、魔理沙は顔が熱くなった。心臓が物凄い速度でビートを刻む。

「魔理沙?」

 ぺたりと両頬に触れるフラン。その言動はどこまでも純真だった。

「顔、赤いよ?」

 瞳を覗き込まれて、魔理沙は動揺する。うるさいくらい鼓動が高鳴り、フランを直視できない。思わず、ついと目線を横に逸らす──

「……!」

 それを阻止するように、フランが再度、魔理沙の唇を奪った。

「んっ……ふぁ、んぅ……。っっ!? ちゅっ、フラ、ン……んん!」

 唇を割って舌が侵入。びくりと引いた魔理沙の舌を、つつくようにフランの舌先が刺激した後、上顎を舐める。

 他人に口内を舐められるという未知の感覚に、魔理沙の思考が白く霞んでいく。気づけばフランに舌を絡め取られ、深く口付けを交わしていた。

 濡れた音が響き、唾液が交じり合う。離れてはくっつき、ずれては寄せ、零れれば舐めとる。

 唇が離れて、二人の間に銀糸が引く。頼りないその繋がりは、ぷつりと儚く途切れ落ちた。

「はぁ……ふ…フラン……」

「まりさ…」

 こく、と唾液を飲む込む音。

「今の、もう一回しよ……?」

「―! ちょっ、ちょっと待て!」

「嫌、だった…?」

「そ、そんなことはないぜ」

 とんがり帽子を目深に被りながら、否定する。金髪の間から覗く耳は赤い。

「魔理沙」

 頬を、フランの指がなぞる。

「…っ」

 内心 (このままじゃマズイぜ) などと思うものの、どうしようもなかった。熱のせいか、思考が働かない。

「魔理沙、大好き」

 ずがん、と。破壊力抜群の言の葉が魔理沙の心臓を撃ち抜いた。くら、と眩暈がする。両手が、無意識のうちに動いて、フランを抱き寄せた。

 ぎゅうと抱きしめる。赤い顔のまま、フランの肩に額を押し付ける。

「……まりさぁ」

 フランの声が聞こえた。

「ぎゅってされるの好きー」

 無邪気な声が耳を擽る。熱の引かない状態で、魔理沙は当分顔を上げられそうになかった。






「こうして普通の魔法使いは落とされた、ね。……それにしても、いつから此処は逢引の場になったのかしら」

 小悪魔が淹れた紅茶を飲みながら、図書館の主である魔女がそう独り言ちた。


  
2009.09.29 Tue l 東方Project l COM(0) TB(0) l top ▲

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